30年越えの住宅をあまりおすすめしたくない理由

いつもご無沙汰しております。

ランドマーク不動産の「戸矢」です。

ドラクエウォークをやりすぎて、1日に10キロ歩いて筋肉痛になったり、寒くて全く歩かなくなったりしています。
結果、正月休みに太った分がそのままです。
40過ぎると代謝落ちますし。。。(言い訳


さて。
30年越えの住宅をあまりおすすめしたくない
というか、弊社的にはあまり売りたくないので仕入れないのですが、その理由を掘り下げてみたいと思います。



30〜40年前の、業界の時代背景
中古物件を扱う・仕入れる上で、知っておくべき情報ですので、時代背景も当時を知る大工さんや設計士さんから同時に伺っています。

30年前といえば、建築時はバブルの好景気どまんなかですよね。

昭和末期〜平成初期の頃の木造住宅は粗さが目立つ物件が多い印象です
勿論、全ての物件ではありません。相当凝ったのか、大工さんの腕が良かったのか、30年経っても傾きひとつ、床の軋みひとつ感じない物件もあります。


よくバブル期の話で『一万円札を振りかざしてタクシーを止めてた』なんて話がありますが、建築業界もその状態だったようです。
当時を知る大工さんや設計士さんから、当時の話を沢山聞いていますので、間違いないでしょう。

作り粗さ甘さの原因のひとつとして、『大工の不足』が挙げられます。
理由はこうです。

好景気&着工棟数も多く、建築ラッシュで大工が足りてなかった。
施主からは早く建ててほしいと要望が入る。
でも大工がなかなか工事に来ない。1人の大工が3-4軒の現場を掛け持ち。作りかけで2週間現場に入らないなんて事もままあったそうです。

大工さんのひっぱり合い。こうなると、大工側からすると売り手市場になりますから、よりお金を払ってくれる単価のいい現場から優先的に工事をしていくことになります。心理的にはごもっともです。

尚且つ、超特急の工事となり、仕事が雑にならざるを得なかったようです。

予算の問題もあります。
ことバブル期で予算低い物件は建売ですが、間に合わないので新人もトンカチを打っていたようです。まさしく『間に合わせ』です。

家一軒を大工さんが直接受注するのはあまり無く、親会社が建築依頼を受けて、下請けの職人さんに仕事を依頼する方式です。
予算が普通より多いと、親会社の利益も多くなり、それに準じて、腕のいい大工さんを配置しようとか、予算無いから空いてる大工さんを安く使おう となるわけです。


今の時代もそうですが、予算が少な過ぎると新人や見習い職人さんの練習台にされたりする傾向です。建売は施主が居ませんので、ちょっと雑になりやすかったようです。
かといって予算を上げれば必ずいいものが出来るとも限りませんが。
工期の兼ね合いもあります。
壁紙、設備、外壁、家に絡む業種すべてにおいてこの調子です。


使う部材の品質も去ることながら、こうして作りの甘い住宅=物件が出来上がります。

築後数年は大丈夫でも、年数が経つにつれてわずかなズレや整合性の甘い部分が、隙間や欠損ダメージとなって現れてきます。

実際に何回もその頃の物件を仕入れてリフォームしていますが、やはりそういう点が多く見られますね。。年式もありますが、年式だけでは語れない部分も見受けられます。



30年前の家と今の家を比べると、かなり性能差があります。

・断熱性能が段違いに上がった
昔薄い断熱材がしっかり止まっていないので、自重で下に沈んで落ちている。
→厚さは2倍になり、床や天井も断熱されるようになりました。(高密度グラスウール50mm→100mm 4種)

平成8〜10年頃から窓もペアガラスが浸透して標準装備になりました。

特に昭和末期までは、天井に断熱材が入っていない事も多々あります。
まだ断熱材を敷き込むのが当然でなかった時代、予算に応じて の頃だったのでしょう。

最低100mm位の暑さは必要です。できれば100mmの二重敷き込みで200mmくらいは欲しいところです。
これが無かったり薄いと、夏は屋根裏に籠もった熱が直接2階の部屋に降り注ぎ、寝苦しくなります。冬は熱が逃げるので、暖房を切ってすぐ寒くなりやすいです。




・建築基準が厳しくなってきている
阪神震災以降から 建築基準の審査も一層厳しくなり耐震レベルも上がりました。
今も数年に一度、ますます検査もかなり厳しくなっています。
一定以上の検査をクリアしないと引き渡せませんので、極論、誰が作っても一定以上のクオリティは有るという裏付けにもなります。



・水回り
水回りは傷みます。洗面台や浴槽そのものよりは、その周辺の床や壁面のが傷んでしまいます。あとは配管も劣化します。管そのものより、接合部のボンドやシーリングが傷みがちです。
家の中でも特に湿気のたまりやすい水回り且つ陽当たらない北側に配置されていますから、築年が経つにつれ、シロアリの害や腐食が目立ちます。
防蟻処理でリセットするのはいいのですが、元の駆体まで直してあるかといえば、そうでない物件の方が多くみられます。
壁の中ですし、ユニットバスを新設すると壁の中は見えなくなってしまうので、最低線チョイチョイ直しで逃げてしまう事も多々あります。
...この辺はちょっとリフォーム業界的に闇の部分です。


外壁や屋根の塗装、シロアリなども確かに長持ちさせる目的としては良いのですが、躯体骨の部分が弱くなりがちです。




値段は安いけど。
築年が古ければ、リフォーム再販業者も安く買取仕入れしていますので、安く販売されることになります。当然手も出しやすいお手頃価格になります。

内情としては、安く物件を仕入れる→そこそこ大がかりなリフォーム(但し断熱や性能向上までは触らない)→パッと見綺麗になって販売となります。
しかし、ベースが30-40年前の建物は駆体(骨組み)はまだ大丈夫でも、断熱性能などは当時のままなので、寒暖がキツかったりします。
加えて上記に挙げた作りの甘さもついてきます。
他所のリフォーム現場を見ますと、水回りの壁の中など躯体を直さずにユニットバスを突っ込んでしまうので、再びリフォームするまで見えなくなってしまいます。
予算の都合もあるでしょうが、そこはちゃんと防蟻処理や腐食部分の交換もしないとすぐ傷みます。保証が切れた頃に高額な有償修理では目も当てられません。


30〜40年越えの家はこういう人におすすめ

・あと10年、15年住めればいい方
・購入者が高齢で、寿命対比してもそこまでの耐用年数はいらない方
・海外の方で、その内に故郷の国へ帰る方
・快適性能より返済額を安く抑えたい方
・耐震性能とか気にならない方
・業界経験者で建築知識をある程度持っている方

であれば、選択としてはアリだと思います。
光熱費は多くかかりますが。



もし検討するなら、リフォーム現場に行って、大工さんに聞いてみましょう。
一般の人がひょっこり行っても大丈夫です。(ケガには注意してください)

基礎の内側に防湿シートをかぶせたりコンクリを流し込む予定はあるか
1Fの床に断熱材を敷き込んでいる または 使う予定の新しい断熱材が現場に山積みされているか
水回りの壁の中まで手をいれてる予定か

この辺位は聞いても問題ないと思います。
そこまで手を入れていればひとまず安心です。
追加予算で
二重窓にしてくれるか
天井に断熱材を入れてくれるか
ユニットバスを入れる前なら、バス周りや下に断熱材を敷き込むか聞いてもいいかもしれません。そのへんが昔のままだと、壁の痛みはもとより、お湯を張ってもすぐ冷めてしまいます。現行型バスでも浴槽に貼ってある断熱材だけでは薄いので。




いまの子育て世代にはあまり・・・

心配事がもうひとつあります。
30年越えの物件を今の住宅を買う層(およそ子育て世代)に渡すと、年齢と耐用年数のミスマッチが起こります。

30才の子育て夫婦に築30年を35年ローンで買うと、ローンが終わる頃には夫婦は60才、築65年を超えています。

購入時のパッと見は綺麗であっても、やはり性能や耐久度に不安が残ります。
また、60才の夫婦が子育ても終わって、もう一度小さな平家を買うにあたり、より便利な場所にローンが組めるか、はたまた65年の家の解体費も含めて住宅ローンを組むのは現実的はありません。
無論、35年後のローン制度がどうなっているかは私にもわかりません。


買うか買わないかは住む方が決める事なので、販売側には責任範疇外ですが、その辺も考慮されて購入を進める方が良いのではと思います。





弊社の場合。


弊社は、築浅2-3年から築15〜16年までをリミットとして物件の仕入れをしています。


販売物件の築年の範囲を絞っている理由。
・元から荒く作られた物をリフォームしても、どうしても直しきれない部分も出てくる
・15年くらい前から住宅性能は大きく変わっていない(元のお金の掛け具合にもよる)
・あまり基本性能の良く無い物件をお客様に引き渡したくない
・近年の住宅は、一定基準以上で作られているので、性能や整合性が確保された住宅を渡したい
・弊社がリスクヘッジすると、買われるお客様のリスクヘッジに繋がる
・クレームでお客様に余計な迷惑をかけたくないし、持ち出しも無くしたい

弊社のような販売側からすれば、入居後のクレームも極力減らしたいのもあります。
ウォシュレットの説明書がないとか、ちょっとした事はありますが、建物的に大きな問題になったことはありません。

このあたりが念頭にありますので、やはり築浅〜15年位までの販売ボリュームが大きくなります。

加えて、第三者機関 検査済の物件です。
私自身は現場監督もしていましたし、新築案件も沢山担当させてもらいました。
中古住宅の再販事業も300件位こなしていますので、いろんな住宅・物件を見てきたので、どこが傷みやすいとか把握しておりますが、私がどんなに熱く語ってみても決定的な裏付けにはならないのも承知しています。

さらに安心して購入できるしっかりした物件である・住んで頂ける事の角度を上げるべく、販売物件を全て検査期間の検査済にするべく動いています。

具体的には、インスペクション付き(検査報告書付き)の物件となり、保証も引き渡し後5年まで延長されます。



弊社はいつも早く導入しすぎて、世の中の認知度が付いてきてないことが多いのですが...(笑

どうも家の事と長くなりがちですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた。

コメント